第4章 これからの展開と発展
2.新たな展開をみせるお好み焼き企業
お好み焼きチェーンですでに店数No.1を誇る「とうりゃんせフードシステム」が新たに開発したブランドが「マリアテラス」。このマリアテラスブランドはすでに奈良店、長野そごう店など4店舗出店している。
「マリアテラス」ブランドは一種の複合型店舗で、出店立地に合わせて自在なコンセプトを繰り出してきている。例えば奈良店ではお好み焼き、カフェバー、中華の複合型であり、長野そごう店はカフェ主力店といった柔軟な路線を採ってきている。
同社は中心業態の「とうりゃんせ」を軸にして、高級お好み焼き店「ロイヤルとうりゃんせ」、ラーメン店「花梨」、そして「マリアテラス」、炭火焼き店「安愚楽」と多彩な業態を開発。この器用さを大きな武器とし、いずれのブランドも時代対応型の高感度ショップとして独自性の高い店作りを実現していているのである。次々に新業態に着手するだけに、これからの展開が楽しみである。
もはや「日本の味」なったお好み焼き。お好み焼きをめぐる「お好み焼きWARS」はまだまだ続くであろう。お好み焼きは進化する食べ物である。「一銭洋食」から「広島焼き」、そして高級化、ファッション化へ。おいしいと思えば次々と取り入れる飽くなき探求心とパワーが、お好み焼きをまだまだ磨き上げる。どんな立地で、誰を相手に、どんな方法で、いくらで提供するのか。ことお好み焼きに関する限り、これらのバリエーションは出尽くしたとは言い難く、思わぬ所から伏兵が出現する可能性はいくらでもある。これからもお好み焼き業界の展開は、目が離せないものとなりそうだ。
(終)
長い間、お付き合い下さいましてありがとうございます。自分でもあまりの長さにうんざりしてしまいました。お好み焼きを食べる時にでも、ちょっと思い出していただけたらと思います。